概要
デジタルサイネージからできるアプローチとして「じっくり眺められるデジタルサイネージのコンテンツとは?」を検討する中で、鑑賞体験の強度を担保するためには枠に収まるコンテンツと共に、鑑賞空間そのものを生み出すことがひとつの解になると考え、プロトタイプを制作した。サイネージメーカーであるファーストの持つリソースで「デザインのいい街」を生み出し、支えるための空間実装プロジェクトとして「WAKWAK BOX Project」はクリエイター、様々な場を運営する事業者とのワクワクの共創をおこなう。
- X Projectパートナー:株式会社ファースト
- 実施期間:2022/6/8〜2022/12/05
- 実地検証:2022/10/8 @東別院 くらしの朝市
- アディショナル検証:2022/12/3〜4 @ソフトピアセンター Ogaki Mini Maker Faire2022
- 体制
- 企画制作:高次素材設計技術研究舎 -Melt.
- 筐体制作:株式会社ファースト
- 制作パートナー
- 音響システム開発:Signal Compose inc.
- オープニング映像:Kenon 國文うつほ
- 座布団提供:西畠家
実装コンテンツ
WAKWAK BOX内での鑑賞体験の強度を検証するためのデモコンテンツとして成仏サティスファクションを制作した。本コンテンツは高情報量と低情報量の急激な落差に伴う精神的な緊張と弛緩がととのい(没入)のトリガーであると仮説を立て制作された、2分間の映像と立体音響によるコンテンツとなる。
上記コンテンツを実装するため、BOXの形状としては茶室型を採用し、4畳半程度の正方形型の立方体とした。体験者は、にじり口から入室し、足場状に置かれた座布団に座って鑑賞する。四角にスピーカを設置するために高さ調整可能なスピーカスタンドを内部に設置し、音源に対してより没入できる音場の生成が可能である。

3D空間音響システムH.I.S.S.(Hyper Immersive Sound System)
H.I.S.Sの実装はシグナル・コンポーズが行なった。 H.I.S.S.はCycling'74 Maxを用いて制作し、Touchdesignerと連携し、3D空間音響の制御を行う。また、空間音響の実現にはIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)が開発したリアルタイム空間オーディオプロセッサSpatをベースとしており、複数chの音源出力による多数スピーカの同時制御をおこなうことで、音源の回転や遠近感の実現をしている。 H.I.S.Sでは待機画面、コンテンツ前半、後半の3音源をシームレスに切り替えることが可能である。
